別にしんどくないブログ

技術のことや読書メモを書いています

『エンジニアのためのマネジメントキャリアパス』から学ぶ、キャリアアップを楽しむためには

エンジニアのためのマネジメントキャリアパス ―テックリードからCTOまでマネジメントスキル向上ガイド

エンジニアのためのマネジメントキャリアパス ―テックリードからCTOまでマネジメントスキル向上ガイド

O'Reilly Japan - エンジニアのためのマネジメントキャリアパス

内容はいちメンバーからマネージャー、CTOや経営幹部までのキャリアパスや各職務についてわかりやすく明確に書かれています。
上のO'Reillyのリンク先に内容の説明書きと目次が載っているので惹かれるものがあればそこから読んでみても学びや気づきはあるかと思います。

この本を知るきっかけになったのは及川さんのこのブログ記事でした。

takoratta.hatenablog.com

この記事の中でも以下にとても共感できたので読むことにしました。

どのように地位が高くなろうと、自ら手を動かし技術に触る機会を持つべきであると一環して言われているように、高い技術力と組織作りの両方が要求されるからであるが、技術をやり続けられるならばと魅力を感じる人も多いであろう。

エンジニアのためのマネジメントキャリアパス ―テックリードからCTOまでマネジメントスキル向上ガイド - Nothing ventured, nothing gained.

この記事では、自分の経験を照らし合わせながら本の中で特に心に残った箇所を書き残しておきたいと思います。

相手の言葉をよく聴き、相手の言葉で話す

これは新入社員の研修メンターを担当したときに感じたのですが、自分の言葉で話しても伝わらないものです。
自分では当たり前と思っていたり、ある程度経験年数のあるエンジニアであれば"言わずもがな"な内容であったとしても、新入社員や経験の少ないエンジニアには相手が理解できる内容で伝えないと理解してもらえません。
当たり前すぎることですが、つい自分の言葉で話してしまい後から反省することはよくあります。
多くの自己啓発本やビジネス書の類の本にもよく傾聴力の大切さが書かれています。
指導方法も「こうしなさい」と最初から言うのではなく、相手の話を聞いて改善点はどこにあるのかを見極める必要があると思います。例えば、わからないことがあった時に調べ方が悪いのか、コードを読む力が足りていないのか等、改善点が異なっていることがあると思います。答えがわかっていて言いたい気持ちがあってもグッと堪えて相手の話を聞くことで相手の短所や傾向がわかってくるのかなと思います。
また、この本の中では相手の言葉を理解できているか確認するための「相手の発言を復唱する」「相手の発言を自分なりの表現で言い換え、返してみる」練習をする実地で行うことを勧めています。これは意識して取り組んでいきたいと思いました。

細かすぎる上司と、任せ上手な上司

人に任せることが難しく感じることはよくあります。例えば、部下に任せた仕事の進捗が良くないと細かく指示をしたり管理したくなってくることがあります。しかし、信頼して任せること、責任を負わせないことを貫くことが大切だと思っています。
そうすることで部下との信頼関係を築くことができます。
これも意識しておかないといけないと感じています。というのも、どうしても自分でやった方が早いからやっちゃう癖があるからです・・・毎回後から反省するので改善しなければいけないと思っています。

「チームの結束を乱す人」への対処

ブリリアントジャーク*1」「秘密主義者」「無礼者」をどう対処するかということが書かれているのですが、そもそもこの3パターンに自問自答してみた方が良さそうです。
自分が得意な分野で議論になったときにマウンティングしていないか不安になりました。故意でないとしても周りの空気を悪くしたり、攻撃的になっているときはあるかもしれません。気をつけなければいけないと心に釘を打っておきました。

ITスキルの維持

小規模な技術的成果物の作成(バグ修正や機能追加の開発)には携わるべきと著者がエンジニアリングリードになったときの職務記述書(JobDescription)に記載されています。管理者もコードの作成に積極的に関わっていれば問題が起きたときにもすぐに対処できるためです。
「確かな技術力の持ち主」という評価が無ければ技術者からの評価は得られないと思います。
開発が活発であればコードはどんどん変わっていきますし、技術トレンドもどんどん変わっていきます。管理者になっても技術に積極的に関心を持ち続けることが大切です。それを楽しめるように自分自身を管理する必要もあると感じています。勉強しなければいけないからやるのではなく、やりたくて堪らないから頑張って時間を作るぐらいの心構えが良さそうです。

好奇心をもって当たれ

著者が人間関係に悩みコーチに相談したときにアドバイスされる言葉だそうです。相手が何を考えているか考えること、さらには技術や戦略や事業にも好奇心をもつこと、自分の認識や考えが間違いであったことを論破されても喜んで受け入れるようにして好奇心を絶やさずに進んでいくことを読者にアドバイスしてこの本は終わります。

全体感想

心に特に残ったことは「好奇心を絶やさないこと」「相手の話を聞くこと(傾聴)」「コーディングや技術的なスキルの向上のための時間を作る努力を惜しまないこと」です。これらを身につけていると、役職や役割など立場の変化、技術トレンドの変化、チームや環境の変化にも対応し楽しめるのではないかなと感じました。
変化に対して好奇心を絶やさず楽しみながらキャリアアップしていけるのではないかなと考えています。

コーディングや技術から離れていくのが嫌でマネジメント職を避けていた方もネガティブなイメージを捨てて、あなたがなりたいあなただけのマネージャーを目指してみてもいいのではないでしょうか。
何が何でもマネジメント職になりたくない人にとってもチームで働くために必要なことが多く書かれているので是非読んでほしいと思います。
もちろん既にマネジメントに携わっている方にもオススメです。

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

*1:優秀だけど嫌なヤツのこと