別にしんどくないブログ

技術のことや読書メモを書いています

『FUTURE INTELLIGENCE』を読んだ。クリエイティブ思考が身につく10の習慣

FUTURE INTELLIGENCE ~これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣~

FUTURE INTELLIGENCE ~これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣~

  • 作者: スコット・バリー・カウフマン,キャロリン・グレゴワール,野中香方子
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2018/04/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログ (1件) を見る

図書館で子どものアンパンマンの絵本とともに借りた本が良かったので、読書メモを残しておきたいと思う。

表題のとおりクリエイティブ思考を身につけるための習慣を紹介していくという内容になっている。何が良かったかというと、自分の嫌いなところを肯定してくれるところに癒しを感じたことや日頃意識していないけど実践していたことが言語化されていたり気づきが多かった。また、新しい考え方を学ぶこともできた。
これから意識して実践していきたいことや心に残った内容を10の習慣ごとにまとめて残しておく。

1. 遊び

子供の頃は遊ばせる。遊びを通じて自分自身のことや周りの環境と自分の関係を理解していく。
好奇心を発揮して馴染みのないものに慣れていく。
ごっこ遊び」が子どもたちの想像力や好奇心を育む。
幼いうちに勉強を教えるのは逆効果。好奇心や予想外の繋がりを見つける能力を損ねること示唆している。
ある程度大きくなってから読み書きを習った子どもの方が文章読解能力が高いという研究結果がある。
遊んでいる大人は老いない。大人になるにつれ、遊び心と好奇心を忘れ、仕事やまじめな事柄を支配されがちになる。
クリエイティブな仕事には真剣な時間と遊びの時間がある。両者がうまく組み合わさったときに良い結果が出る。

2. 情熱

誰かと出会いや何かの本を読み感銘を受け人生をかけるべきだと思う瞬間のことを「結晶化」(クリスタライジング)と呼ぶ。クリエイティブな心を育むために欠かせない。
「うまくなりたい」と熱意を持てるかどうかで才能は決まる。
「調和的な情熱」と「強迫的な情熱」がある。「調和的な情熱」は見栄えや名声などではなく習熟と成長を重視する。
一方、「強迫的な情熱」は世間に認めてもらうためなど成長ではなく外的な報酬を動機として励む。
インスピレーションを得やすい人は努力をする。調和的な情熱を持つ人はやっていて面白く、意義を感じるものであれば練習は苦にならない。

3. 夢想

1時間おきに5分の夢想休憩をはさみ、それがアイデアや思考にどう影響するか観察してみよう。
頭をすっきりさせるために席を立ってトイレに言ったり、会社の周囲を散歩していたりして目の前の課題から注意をそらすと、ふいに求めていた答えが頭に浮かぶことがある。
ほんの少し行動を変えることで、考え方が建設的な方向に向かう。
気分転換することで無駄な解決策に固執している気持ちを解放することができる。
歩いている時、とくに自然の中を歩いている時に問題が解決されることが多い。
マインドフルネスとは今この瞬間に心を集中させ、ありのままを感受することである。
マインドフルネスがクリエイティブにもたらす恩恵は大きい。しかし気が散ることは必ずしも悪いことではない。

4. 孤独

クリエイティブの糧になるのは孤独の時間である。
心の内側を深く掘り下げる、他社や周囲の雑多から離れることで自分と向き合うことができる。
そのために孤独なスペースを作る。
自分への関心と他社への関心、内向性と外向性、深い内省と意欲的な行動のバランスをとることがクリエイティブ思考に重要である。

5. 直感

直感は十分に準備したものにだけ訪れる。
過度に理性的に考えることを学ぶと直感が理性と分析に押しつぶされる。
直感が鋭い人は周囲をよく観察しているが、ひらめく直前は視覚からの入力がヘリ、視覚野の活動がほぼ停止する。

6. 好奇心

知りたい、見つけたいという好奇心の有無は知能指数の高低よりはるかに仕事の質に影響する。
未知のものを探求したいという欲求がクリエイティブな仕事につながる最も重要な特徴である。
好奇心の強弱はドーパミンの働きによって決まる。ドーパミンは行動と認知の両面で探求したい意欲を目新しいものに柔軟に反応する傾向を促す。
好奇心旺盛な人は報酬ではなく新しい発見から活力を見出す。

7. 瞑想

マインドフルネスとは今この時に注意を払うこと。マインドフルに観察する訓練をすると認知知能が向上した。マインドフルになるのに正式な瞑想の訓練は必要ない。今この瞬間に意図的に集中し、評価や判断をせずに注意を払うこと。じっくりと観察する能力は重要でクリエイティブ思考にも役立つ。
心を鎮めようとするとますます騒がしくなるが、やがて落ち着く。そうすればささやかな物音を聞く余裕が生まれ物がはっきりと見えるようになる。心の動きが遅くなり前よりはるかに多くのものが見えるようになる。
マインドフルネス瞑想は呼吸1つに集中し、心の中の雑念や感情を消し去ることが求められる。この種の瞑想は脳の実行機能を向上させる。
瞑想の最も有意義な使い方は、雑念を振り払うことだろう。メールやマルチタスクが溢れている状態で大切な課題に集中することができなければ、意義深い仕事をするのはますます難しいだろう。
また、集中力はクリエイティブ思考への道を開くが、クリエイティブな業績を上げるためにはマインドフルネスとマインドワンダリング(自分の心を探索すること)の両方からもたらされるものであるためこの2つの切り替えが重要である。自己に集中する思考モード(マインドワンダリングからもたらされる)も外界に集中する思考モード(マインドフルネスからもたらされる)のどちらも強める必要がある。
ある程度のマインドワンダリングを許す瞑想の方が心を集中させる瞑想やただじっと座っている瞑想よりデフォルトモードネットワークが活性化する。
認知能力が高い人は、認知能力がより柔軟で、異なる思考モードの行き交いを容易に行い、多彩なアプローチで問題の答えを導き出すことができるのだ。
クリエイティブになるには周囲を観察するだけではなく、心中を通り過ぎる現象に気づき、深く観察することが必要である。

8. 繊細

クリエイティブ思考を点と点をつなぐことと考えれば、敏感な人は、普通の人より点が多いため、点をつなぐ機会の多い世界に生きている。感受性の高い人はより多くのことに気づき、より多くの感覚情報を処理している。
感受性が高い人は刺激を心の深いところで処理する。そのため、新しい状況で「立ち止まって確認する」「戦略を深く考える」「時間をかけて考える」「時間をかけて効果的な行動を計画する」「引きこもる」といった行動をとる。
感受性が高い人は共感や自己認識能力も高い。
感受性の高い人はカフェインや薬や痛みなど身体レベルでもより深く影響を受けやすい。
感受性の高い人は感情の起伏が激しいが、それを抑制する能力を身につければ、自分の生々しい知覚を鋭い洞察に昇華することができる。
クリエイティブ思考の人は常に自己実現をしている。創造は人生を豊かなものにし、生きているとう強い感覚を生じさせる。
敏感な性質は感情的緊張や環境との建設的な対立をもたらし、その対立を解決する手段にもなる。敏感な性質は人間が成長し危険を冒し意味を探すことを後押しする。最終的に内面的な成長に欠かせないものである。
感受性が高い人にとっては人生は過酷なものになりがちだが、繊細さにはすばらしい喜びや驚きや共感や創造も伴う。そして辛い経験を最大限に活かすことができれば、意義深い仕事をして複雑なアイデンティティを確立することに近づいたと言えるだろう。

9. 逆境

人生における最も過酷な状況は、生きる目的と生きる力を見出す機会になる。人生を耐え難いものにするのは環境ではなく、「意味と目的の欠如」である。
苦しみから思いやりを学び、苦しみを乗り越える過程で自らの力と美を発見する。
トラウマを乗り越えた人の70%が心理的成長を遂げたと研究結果が出ている。
喪失と獲得、苦しみと成長は同時に起きることが多い。しかし、芸術家はネガティブな人生経験だけでなくポジティブな人生経験も作品に昇華している。
不運は出来事は、当たり前と考えていた価値観を見直し新しい価値観を考えざるを得なくする。
心理学者は、トラウマは共感や利他主義を高めて他者の利益のための行動を促すことを明らかにしている。
人は独自の世界観や仮説を形成し、それに則って暮らしているがトラウマはそうした価値観を揺さぶり人を成長させる。揺れが大きいほどそれまでの自分の考え方から離れて土台からやり直さなければならなくなる。自己再建によって新しい扉を開くことができる。
きつい感情を客観視して書き記すライティングセラピーによってうつ症状や心身の健康状態を改善するだけでなく、認知能力やワーキングメモリーが改善することが明らかになっている。
ライティングセラピーの効果の度合いと、「知る」や「理解する」といった認知に関わる単語を使用する頻度には相関が見られる。
不幸なことだけでなく、幸福感も同じく興味を広げる。新しい可能性と目標を見つけることができる。新たな目標や人生観をみつけることで人間関係や優先事項やアイデンティティを変えることができる。

10. 異端

偉業を遂げるための必要不可欠な要素は「人と違う考え方をする」ことである。
真実は多数派を信じるか否かによって変わるものではない。
真のイノベーションを起こしたほぼ全てが、最初は抵抗を受けている。そのためクリエイティブであることには勇気が必要である。
クリエイティブな人には「他の人が不可能だと思うことをしようとする」「服従しない」「伝統にとらわれない」「社会規範や常識や前提に疑問を持つ」「自分の立場を明らかにしようとする」といった特徴がある。クリエイティブな人はリスクをとり、最後まで追求しようとする。
クリエイティブな人は世の中で支持されている考え方を拒み、斬新なアイデアを好む。
挑戦者は必ず迫害される。アイデアが批判され、排斥されてもそれを支持し続けるには覚悟が必要である。いかなる分野であれ、真の貢献のためにはその分野を新たな方向へ動かす「リーダーシップ」と「ビジョン」が必要である。 平凡な人は従順な人を好む。実験によると、大半の人が真実だと思うことを翻してでも多数派を歓迎することが明らかになっている。自由な思考と想像力の抑制は教育制度から始まる。多数派と違う経験をすることで先生から注意される経験は子供の好奇心や個性的な本能を抑制している。子どもたちは間違いを恐れるようになり、異なる解決法や考え方を試すことを教わらない。ゆえに変化し続ける世界や新たな課題に備えることができない。
間違いを犯すことを覚悟しなければ、独創的なことは何1つ思いつかない。 独立心の強い自我は他者との分離を好む。
イデアの質は量によってもたらされる面がある。失敗すればするほど成功する確率は上がる。質の差は革新への欲求によって決まる。同じ手法を繰り返してはならないというプレッシャーを常に感じている。革新を求めるがゆえに天才は何度も失敗をする。
また、伝統的な考えに挑戦するものはすべて型破りな思考へ導く。これまでと違う考えをする習慣を身に付ければ、違う分野のアイデア同士を結び付けることができるようになる。点と点を新しい方法でつなぎやすくなる。
革新的な人は、そうでない人に比べて「人と違うことを考え方をしようとする」時間が50%多いことが研究で明らかになっている。
自分はクリエイティブ思考であるという自覚を持ち実践することは、人を本来の自分自身と結びつけてくれる。

感想やまとめ

好奇心を持って、夢中になり集中することが大切である。また、自分と向き合うことと、心中を鎮め外界に集中することの両者をバランスよく行うことで多彩なアプローチをすることができるようになるのであろう。
一見ネガティブな事柄もクリエイティブ思考には欠かせない。辛い経験や感情は人を成長させるということなので、辛い経験があっても悲観的になりすぎないようにしたいと思う。
また失敗や批判を恐れずに挑戦しつづける勇気も身につけたいと思う。
クリエイティブ思考を身につけるために10の習慣を実践し、自分の多面性を受け入れて新しいもの良いものを創造していきたいと思う。

以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。
オススメの本などありましたら、コメントやはてブTwitterなどで教えてもらえると嬉しいです。