たいていのことは20時間で習得できる 忙しい人のための超速スキル獲得術
- 作者:ジョシュ カウフマン
- 発売日: 2014/09/20
- メディア: Kindle版
この本は超速でスキル獲得するためのTipsが書かれた本である。
要約すると、習得したいスキルをできるだけ細かくサブスキルに分解し、少しのリサーチ時間と最も重要なサブスキルに20時間を費やすというものです。
最も重要なサブスキルに集中して習得することで、その後の学習効率が大きく変わるということ。
もし、重要なサブスキルを身に着けて満足であればそこでやめてしまってもいいのだ。
本は理論編と実践編で構成されており、実践編はヨガやプログラミングと具体的なスキルの習得について書かれている。
そのため、実践編は習得したいスキルのところだけ読めばいいだろう。この本自体は理論編が70ページほどで実践編も、例えばプログラミングだと、80ページほどしかない。そのため、読むのには時間がかからないだろう。
理論編では「超速スキル獲得方の10のルール」と「効果的学習のための10のルール」の2つのチェックリストについて紹介されている。
特に「効果的学習のための10のルール」のほうが気になったので今回は「効果的学習のための10のルール」の方を重点的にメモを残しておきたいと思う。
「超速スキル獲得方の10のルール」に関してはルールだけ記載しておく。
超速スキル獲得方の10のルール
- 魅力的なプロジェクトを選ぶ
- 一時に一つのスキルにエネルギーを集中する
- 目標とするパフォーマンスレベルを明確にする
- スキルをサブスキルに分解する
- 重要なツールを手に入れる
- 練習の障害を取り除く
- 練習時間を確保する
- すぐにフィードバックが返ってくる仕組みをつくる
- 時計のそばで一気に練習する
- 量と速さを重視する
効果的学習のための10のルール
- スキルとそれに関連したトピックについて調べる
- わからなくてもやってみる
- 心的モデルと心的フックを知る
- 望んでいることの「逆」を想像する
- 実際にやっている人の話を聞いて予想を立てる
- 環境から気が散る要素を取り除く
- 覚えるために間隔をあけて反復と強化をする
- チェックリストとルーティーンを設ける
- 予測を立て、検証する
- 自分の生物学的欲求を大切にする
1. スキルとそれに関連したトピックについて調べる
20分かけて習得しようとしているスキルと関連がありそうな本やDVDなど資料を少なくとも3点見つけること。ここでの目的は、最も重要なサブスキル、重要な構成要素、必要なツールを知ることである。スキルについての広範な知識をてっとり早く集め、全体像をつかむこと。
2. わからなくてもやってみる
初期リサーチの段階では理解できないことが多いが、経験を積むと同じ情報が理解可能になる。また、混乱を認識すること自体が、理解の一形態である。具体的に「何に」混乱しているのかはっきりさせ、それを解決するために次に調べること、するべきことを理解することにつながる。練習をすればわかるようになると自ら言い聞かせることで、混乱から理解へと最速で進むことができる。
3. 心的モデルと心的フックを知る
心的モデルとは、繰り返し登場する概念や技術であり最も基本的な学習単位である。存在するモノ、あるいは関係性を理解し、分類する手段である。
心的フックとは、新しいことを覚えるときにすでに知っていることと類似性や比喩を用いて理解することである。
初期リサーチで心的モデルや心的フックをたくさん集めておけば、特定の行動をしたとき次に何が起きるか予測しやすくなる。
4. 望んでいることの「逆」を想像する
「反転」という問題解決の手法で、物事の本質を理解するのに役立つ。望んでいることの逆を調べることで、一見気づかない重要な要素を特定できる。
行動するときに、何もかも失敗したら何が起きるかを頭の中でシミュレーションしておくことで必要なモノや行動がはっきりわかる。
5. 実際にやっている人の話を聞いて予想を立てる
目標とするスキルを既に身につけいている人に話を聞き、上達にともなってどのような変化が期待できるか、予め知っておくことができる。そうすることで練習中に興味を失わず、モチベーション喪失を防ぐことができる
6. 環境から気が散る要素を取り除く
気が散る原因は、電子的なものと生物学的なものに分類できる。電話、インターネットなどの電子的なものは電源を切る。悪気のない家族、同僚などの生物学的なものは事前に知らせて邪魔をしないようにお願いをする
7. 覚えるために間隔をあけて反復と強化をする
忘却曲線を理解し、間隔を置いて反復と強化をすることは、重要な概念や情報を定期的かつ体系的に学習するのに役立つ。このテクニックは情報をすばやく思い出すのが大切なスキルに有効である。
8. チェックリストとルーティーンを設ける
たいていのスキルには何らかの決まった手順がある。練習のたびにしなければならないことを確認するにはチェックリストを使う。これはプロセスを体系化し、もっとも重要なことに注意を集中できるようにする。
ルーティンは、スキルの練習に毎日同じ方法で取り組めるようにする構造だ。
チェックリストやルーティンをつくることで、効率よく練習できるようになる。
9. 予測を立て、検証する
予測をたて検証する習慣をつけること。そのために予測や試行錯誤の結果はノートなどに記録しておく。
10. 自分の生物学的欲求を大切にする
最適な学習サイクルは約90分、それより長くなると頭も身体も自然と休憩を求める。無理をせずに休憩をとるほうが生産的である。練習を始めるまえにタイマーを設定することで忘れずに休憩を取るようにする。必要であれば練習時間を細かく区切って20分練習して10分休憩といった具合でもいい。
最後に
すべてのスキル獲得のために10のルールが必要ではないかもしれないが、10のルールをチェックリストとして使うことで効果的な学習に役立つと思う。