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ウェブリオを退職しました。「いい話」から5年経ったいま

この記事は念の為元上司に査読していただきました。

2019年8月末でウェブリオ株式会社を退職します。
ウェブリオはオンライン辞書サービスを運営する会社です。

インターネット上にウェブリオの中の人の声や退職エントリは少なく、ウェブリオに入社しようと考えている人にとって情報が少ないと思いこの記事を書くことにしました。ウェブリオへの入社を検討されている方に参考になれば幸いです。

「いい話」

とても多くの人に読まれたウェブリオの退職エントリがあります。
以下の記事ははてなブックマーク数1000を超え、「ウェブリオ 退職」で検索すると検索上位に出てきます。
そのため、ウェブリオに入社を考えている人は一度は読んだことあるかと思います。
便宜上、本記事では「いい話」と呼ばせていただきます。

takeda25.hatenablog.jp

しかし、5年前の記事で情報が古くなっています。

その後W社の社風や開発者の扱いに変化があったかどうか等についてご自身で最新の情報を得ていただければと思います。

と「いい話」の冒頭にもありますように、本記事ではウェブリオの現在についてお伝えできればと考えています。
これから書くことはあくまで2019年時点の情報です。もし数年してこの記事を読んでいる人がいれば参考になさらずご自身で最新の情報を探していただければと思います。

「いい話」から5年経ったウェブリオのいま

この節では「いい話」を読まないとわからない内容が含まれています。

「いい話」が投稿されたのが2014年4月で、僕が退職したのが2019年8月なので5年が経過しています。
そのため、会社の中は変わっています。
もちろん「いい話」に対して批判を書くつもりはございません。 というのもこの方とは在籍期間が重なっておらず、全く面識がありません。また、在籍していたオフィスも違います。
そのため「いい話」に関しては真実かどうかも判断できません。 ちなみに僕は「いい話」の流動性には共感する部分があります。

実質上司について

まず、「いい話」に出てくる実質上司はすでに退職しています。
僕が入社した2016年8月時点ですでに退職されていました。
「いい話」に登場するエンジニアの方々はすでに全員退職されています。
現在在籍するエンジニアの中には「いい話」に出てくるような性格の方はいないかと思います。

OSSについて

MIT ライセンスの JavaScript 外部ライブラリを使おうとすると、「使っても問題ないか調査してください」と言われ、またできれば外部のものは使わずに実装してほしいと言われた。

OSSのライブラリについてはむしろ使っていきましょうという雰囲気です。
ウェブリオ自身もGitHubにMITライセンスでソースコードを公開しています。

github.com

役員との関わりについて

偉い人レベルでの、従業員は使い捨て可能・交換可能な部品であるという見方。

これについては私は結構大切にしていただいていた方だと感じています。
意見を尊重してくれましたし、最終出勤日に営業部の幹部の方から労いの電話をいただいきました。
人によっては合う合わないありますが、幹部の方と従業員の距離は非常に近いです。
また、意見をする人を尊重・評価する傾向があり会社に意見はしやすかったです。

良かったところ

ここから先は「いい話」とは関係なく、私がウェブリオに感じたことを書いていきたいと思います。
私自身の体験や感じたことに基づくので、違った意見や考えもあるかもしれませんがそれは他の社員の方が書いてくれることを期待しています。

働く環境について

働きやすさ・風通しの良さを求めている人にはウェブリオはおすすめです。 「いい話」にも出てきましたが、残業は本当に少ないです。有給休暇も1時間単位で取れました。申請こそありましたが、却下されることはありませんでした。これが個人的には一番最高でした。
10:00〜16:00コアタイムのフレックスだったので、僕はたまに朝1時間の有給をとって11:00に出社していました。朝起きて「11時に出勤します」とメールするだけなので、有給のとりやすさは抜群に良いかと思います。
非常に働きやすい環境かと思います。子育て、コミュニティ活動、OSS活動を並行して行えたのはこの働きやすさがあったからだと感じています。

学習支援について

技術書やビジネス書などの書籍は申請なしで購入することができました。各々がAmazonでポチるだけです。申請はいりませんでした。
備品も正当な理由があれば購入してもらえます。
勉強会やカンファレンス参加も業務として行くことができ、参加費用や旅費を出してくれる制度もあります。
地方に住んでいるエンジニアとしては東京で行われるカンファレンスに参加しやすかったです。
そういった学習支援を重視している人にとっても良い会社だと思います。

良くないと思うところ

評価について

マネジメントよりコードを書き続けたいタイプの人にはおすすめしません。コード書いてるよりマネジメントしてる方が評価される傾向があるように感じました。成果を出し続けている技術力ある人よりマネジメントしている人の方が評価されていました。私の推測ですが、幹部にエンジニア上がりの人やCTOのような技術のわかる人がいないのが原因なのかなと思いました。これは幹部の人も対応しようと考えていてリーダークラスのエンジニアの意見を評価の参考にするなど技術に対して評価できるように試行錯誤しているようにも見えました。

給料について

私は給与テーブル上の平社員では真ん中より少し上ぐらいに位置していたと思いますが、年収450万円程度でした。そのため、ほとんどの社員が400万円台なのではないかと推測できます。私自身転職ドラフトの指名額などを参考に市場価値に合った給料をいただけていないことを把握していました。
これはウェブリオに限った話ではないですが、市場価値に合わせた待遇にしなければ良い人は採用できませんし社員は辞めていくと思います。
ウェブリオもこれについては人事を中心に考えていると思います。一気に給料UPはなかなか難しいと思いますが、少しずつでも改善されると期待しています。

ちょっと話がそれますが、報酬の総定額を採用プロセスの早い段階で言ってしまった方がいいんじゃないかなと思います。内定出してから報酬を伝えることが多いですが、その時点で大きくズレが生じていて辞退することになることは珍しくありません。双方にとって面接などにかけた時間とかもったいないと思うんですよね。その点、最初から金額がわかっている転職ドラフトは良かったです。転職ドラフトに限らず、今回オファーいただいた企業は最初に参考値を提示してくれました。大変助かりました。

退職理由

転職前に昇進の話をいただいてて給料も上がるし評価もいただいてたので、上記の理由が直接的な退職のきっかけになったわけではありません。優秀な方々が徐々に辞めていったことが大きかったです。他の人の退職に関しては様々な理由があるのですが、ここでは控えさせていただきます。
優秀な人が退職していきだんだんと楽しさを失ってたときに、ある企業からお誘いいただいたのが直接的な退職のきっかけになりました。
もちろん給料も前述の通り市場価値に沿った金額をいただきたいと考えていました。

最後に

「いい話」が書かれてから5年経ってウェブリオ内部の変わったところや私が感じたことを書きました。
色々書きましたが私はウェブリオに入社して良かったと考えています。子をもつ身としては働きやすかったですし、自由に色々させていただき成長につながったと思います。
もし興味があれば、応募してみてください。

www.weblio-inc.jp

次はサイボウズ株式会社のフロントエンドエキスパートチームで働きます。こちらも興味があればご応募お待ちしております!

cybozu.co.jp

退職のタイミングでなくてもいいのですが、会社のことを社外に発信することで採用のミスマッチを防ぐことができるかもしれません。どんどん発信していくべきだと思います。
この記事がウェブリオに入社しようか考えている人にとって参考になることを願っております。

最後までお読みいただきありがとうございました。質問などはTwitter宛やコメントなどでお願いいたします。