別にしんどくないブログ

技術のことや読書メモを書いています

『Team Geek』を読んだ。

本書は定評があり、以前から勧められていたのですが積読が多く読めていませんでした。
最近、チームで働くこと、特にチームメンバーとの協調や生産性向上がうまくいってないように感じているので読んでみました。

以下は各章ごとに気になったことのメモです。

1章 天才プログラマの神話

  • チームで働くための三本柱
    • Humility (謙虚)
    • Respect (尊敬)
    • Trusty (信頼)
    • HRTなのでハート(Heart)と呼ぶみたい
    • 本書の中心にどうすれば良いチームを築くことができるのかを網羅的に解説している
  • エゴをなくす
  • チームメンバーを信頼して仕事を任せる
  • 批判は個人的なものではなく優れたプロダクトを開発するための必要なプロセスであるか、そこに尊敬が含まれていなければならない
  • 建設的な批判の仕方を学ぶ必要がある。そのために気の利いたフレーズを使えるようにする

2章 素晴しいチーム文化を作る

  • ミッション・ステートメントを明確に定める
    • プロダクトのスコープを制限する
    • やること/やらないことを明確にしておくと年単位で仕事の節約になる
  • MTGは必要な人だけで行う
  • MTG前はアジェンダを用意する
  • MTGのゴールに早くたどり着けば時間内でも終わる

3章船にはキャプテンが必要

アンチパターン

  • 自分の言いなりになる人を採用する
  • パフォーマンスの低い人を無視する
  • 人間の問題を無視する
  • みんなの友達になる
  • 採用を妥協する
    • エンジニアを5人雇う計画のとき大量募集して上位5人を雇うことがあるが、このやり方はダメなやり方。ジョブズいわく「Aランクの人はAランクの人を採用する。Bランクの人はCランクの人を採用する」
    • 採用に口を挟めなくても腕のいいエンジニアが必要だと主張する。それでも標準的なエンジニアしか雇わないのであれば職場を変えた方がいい
  • チームを子どもとして扱う

リーダーシップパターン

  • エゴをなくす
  • 禅マスタになる
    • 常に平静を保つ
    • 質問は禅マネジメントの秘密である。チームメンバーがアドバイスを求めてきたら、自分で解決しようとするのではなく、解決することを手伝うようにする。自分が答えを持っているかどうかにかかわらず、相談相手には印象が残る
  • 触媒になる
  • 先生やメンターになる
  • 目標を明確にする
  • 正直になる
  • 幸せを追い求める
    • 時間を作ってチームの幸せを計測する
    • チームの幸せを追い求めるには1on1のあとに他に必要なものがあるかを質問する
    • チームの外の幸せを考える

4章 有害な人に対処する

  • 有害な人ではなく、有害な振る舞いを排除する
  • 他人の時間を尊重する
  • 完璧主義者にならない
    • 設計に時間をかけすぎてコーディングがなかなか始められない。結果として、チームとしての生産性を下げている。
  • 優しく追い出す
    • 文句言いたいだけの人に対して優しい口調で優しく接する

5章 組織的操作の技法

  • リスクをとる
    • 年に1回でも失敗していないようなら、それはリスクを取っていないということ
  • 「攻撃的」な仕事と「防御的」な仕事
    • 攻撃的な仕事は、ユーザに見えるもの。UIの改善とかパフォーマンス改善など
    • 防御的な仕事は、プロダクトの健全性を維持するもの。リファクタリング、モニタリングなど
    • 防御的な仕事にかける時間は1/3〜2/3に収める

6章 ユーザーも人間

  • ユーザーに集中すれば、他のことはすべてついてくる
  • 成功しているソフトウェアというのは、問題を限定してそれをうまく解決している
  • Less is more

感想

定評通りの良い内容でした。読んでいて感じたのは最近勉強会やカンファレンスなどで聞くようなチームビルディングの例はこの本に影響受けているものも多いのではないのかなということです。
この本を読みながら「これ最近よく聞くよな」とか「これ何かで読んで実践してみて良かったな」とか他で得た知識が載っていたのですが、もしかすると誰かがこの本から得た知識を実践してアウトプットしていたのかもしれないです。そう考えるとこの本は多くの人に影響を与えた本だと思います。
また、この本は発売が2013年ですが、今読んでも勉強になることが多いので内容はある程度普遍的なものなのではないでしょうか。
この本も時代を超えて読まれていく本になる可能性はあります。願わくば、本書に書かれていることが当たり前の世の中になっていて読まれなくなると良いかと思います。   チームで働くことに悩んでいたり、これからチームで働く人には積極的に勧めていきたいと思います。