別にしんどくないブログ

技術のことや読書メモを書いています

サイボウズに入社して4年が経ちました

今年の9月1日でサイボウズに入社して4年が経ちました。 本当に様々な経験をさせてくれたので、入社当時からこれまでを振り返りたいと思います。

サイボウズに入社して1年が経ちました」ブログ書いたときから様々なことがあったので、長くなりそうです。

shisama.hatenablog.com

COVID-19の襲来

いきなりネガティブな話題ですが、この4年間のほとんどがコロナ禍でした。
とはいえ、何か働くのに影響があったかというと週2のオフィス出勤と出張がなくなったぐらいです。
コロナ以前から週3で在宅勤務していて、チームメンバーも東京だったり福岡だったり松山だったりリモートが中心のチームでした。そのため、あまり業務に支障はありませんでした。 ただ、住むところがバラバラだから四半期ごとには集まって飲みに行こうみたいなことをしていたのができなくなったのは寂しかったですね。その代わり、リモート飲み会はよくやりました。
ただ、コロナ以前からリモートワークできていたため、コロナ禍でも問題なく働くことができたのは不幸中の幸いでした。
また、子どもの保育園が感染拡大で閉鎖したり突然のお迎えに行ったりしないといけないときでも、子どもの面倒を見ながら働けたり特別休暇としてレギュラーの有給休暇とは別に休むことができたのは良かったです。

サイボウズの働きやすさは異常だと入社して4年経っても感じます。
自分の働き方を振り返ってみると、1年以上週4で働いていたし、11時始業をちょっと試していたときもあったし、途中抜けも好きにしてるし、気分でオフィス出勤と在宅を選べるし、出張も自由に行けるし、どうなってんねんマジでwwwとよく感じています。

フロントエンドエキスパートチーム

フロントエンドエキスパートチームとして入社して様々なプロダクト開発の支援や技術探究や啓蒙活動、発信をしてきました。   実は入社したときは今ほどフロントエンドが得意と自信を持って言えませんでした。その当時はNode.jsについては詳しい自信がありましたが、フロントエンドはそんなに...むしろCSSは苦手でもありました。

入社日にkoba04さんとランチに行ったときに「僕、別にフロントエンドそんなに得意じゃないですが採用しちゃって大丈夫だったんですかね?」と不安をぶつけたぐらいです。そのときkoba04さんからは「OSSのコミッターになったりカンファレンスで登壇したりブログ書いたり、なかなか誰でもできることじゃない。その継続力は他のことをやるときでも活かせると思ったからですね」みたいなことを言ってもらった。ありがとうkobaさん。

最初は自信なかったけど、働いているうちに自信は付いてきました。チームにいるだけで鮮度の高いフロントエンドの情報が自然と入ってきたり、開発支援や技術探究を通じて多くのことを学びました。そして、何よりスキルが高く知識豊富なメンバーの中で働くのは毎日刺激的でした。

あとはWEB+DB Pressの特集記事執筆の機会やYouTube動画の公開、技術ブログの公開など様々なアウトプットの機会に恵まれたのもこのチームだったからだと思います。

gihyo.jp

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本当に多くの機会と経験を積ませていただきました。フロントエンドエキスパートのメンバーには感謝しています。

プロダクトオーナーを経験した

サイボウズではkintoneのフロントエンド刷新プロジェクトが行われています。詳しくはkoba04さんのブログやその他フロリアメンバーのブログをお読み下さい。

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切りの良いところで途中で抜けちゃったんですが、このプロジェクトのkintoneのヘッダー部分を刷新するチームのプロダクトオーナーを任せていただきました。
プロダクトオーナーは自分で志願しました。これまでプロジェクトマネージャーは経験したことがあったのですが、プロダクトオーナーは初めてでした。というより、この機会でプロダクトオーナーという存在を知りました。それでもプロダクトオーナーをやる機会を与えてくれたkoba04とokadyには感謝しています。
プロダクトオーナーとして、バックログを作成し優先付けして期限までに完成させるみたいな役割で、いち開発者としてコードを書いたりアーキテクチャを考えたりするのではなくマネジメント業務が主な仕事でした。
このチームは若いメンバー中心で構成されて、シニアっぽいのは自分だけでした。当たり前ですが、これまでフロントエンドエキスパートのメンバーと働いていたときとは大きく異なりました。コミュニケーションの取り方とかも全然異なるし、自分がリードしていかなければいけないという責任感も持つようになり、サイボウズ入社後で自分のキャリアにとって大きな変換点になったと思います。
まあリリースのための締切前は結構ドタバタしてしまって色々な人に助けられたり、自分もコードを結構書いたりしてマネジメントがうまくいったようには思いませんが、一応期限内にリリースするという目標を達成できたのは大きな自信になりました。
何よりがんばってくれたチームメンバーに感謝しかありません。

私が抜けたあとのメンバーはがんばってくれてヘッダー部分の置き換えが完遂していて本当にすごいと思います。
私がいたときに新卒2年目だったnissy_devがプロダクトオーナーとしてがんばってくれていてメンバーの成長を感じられて嬉しいです!

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いつの間にやらbiome(旧Rome)のメンテナーになってすごくなってしまいましたが、nissy_devはワシが育てた(嘘)と自慢しますね。

英語が公用語の新規IAMプロダクトチームへ参加

現在所属しているプロジェクトでは、新規IAM(Identity and Access Management)製品の開発をしています。このプロジェクトは新規プロダクトだけでなく、英語が公用語のグローバルチームという特徴も持っています。

詳しくはプロジェクト発足人のymmtさんのブログをお読み下さい。

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先述のとおり、プロダクトオーナーとしてkintoneのフロントエンド刷新プロジェクトに所属していましたが、切りの良いタイミングで新規プロダクト開発に異動希望を出しました。
サイボウズ、なんでもやりたいことやらせてくれる。

このグローバルチームはサイボウズ日本拠点で働くバイリンガルなメンバーとアメリカ拠点に所属するメンバーを中心に構成されてスタートしました。
そんな中、英語力が高いわけでもなく、知らないメンバーが多かったですが、このチームへの異動を希望しました。
IAM製品を開発する機会はないだろうという理由と英語を使った仕事をしたいという思いから参加を希望しました。
チームへ参加した当時はフロントエンドチームはジュニアな開発者と業務委託の方だけしかいませんでした。そこでフロントエンドのシニアエンジニアとして参加してフロントエンドチームを引っ張っていくうちにフロントエンドアーキテクトとしてフロントエンドの技術責任を任せていただくことになりました。

また、国内外の英語話者の採用もはじめてやりました。フロントエンドについては募集要項作成、コーディングテストの選定、書類選考、面接、オファー額の検討などをしました。採用についての話は先日の Developers Summit Kansai 2023 で発表した資料があるので、そちらをお読み下さい。

speakerdeck.com

日本語不要で英語必須とし、国内だけでなく海外まで範囲を広げるととんでもない数の応募をいただきました。 Senior Frontend Engineerのポジションだけで約8ヶ月で200件以上の応募をいただきました。本当にたくさんの応募をいただき選考が大変で死ぬかと思った嬉しかったです。

また、様々な出身国の人と働くことになり、文化の違いなど多くの発見がありました。

サイボウズとしても国内での英語話者採用やリロケーションのサポートなど初めての試みが多く、社内の様々な方々に助けられました。通訳チームや人事、労務、法務、情シスなど様々な他部署の方が英語でメンバーとやりとりをしてくれており、大変助かっています。

あと、サイボウズに通翻訳専門のチームがいたことが驚きでした。開発アシスタントという開発本部の開発以外の雑務をすべてやってくれる神チームの存在を知ったときも驚きましたが、通翻訳チームがいたことを知ったときも同じぐらい驚きました。
通翻訳チームには面接や会議などで大変お世話になっています。

また、英語学習を会社がサポートしてくれていて、学習費用や時間の確保をサポートする制度を利用してPROGRITを行いました。そのおかげもあって英語力は向上しました。また、PROGRIT終了後も学習費用の補助や業務時間内の学習も継続しています。 PROGRITについては以下のブログをお読み下さい。

shisama.hatenablog.com

このプロジェクトは本当に自分にとってはチャレンジばかりで毎日刺激的です。プロジェクトを立ち上げたymmtさんと声かけてくれたokadyさんに感謝しています。

フロントエンドアーキテクトとして働いた

先述したとおり、新規IAMプロダクトではフロントエンドアーキテクトとして働いています。
アーキテクトというロールは初めてだったので、最初は何をすればいいのかわからないこともあったり、設計や技術選定に責任を持つことに一定の不安もありました。ただ、それ以上に楽しみでもありました。実際めちゃくちゃ楽しかったし、勉強になりました。 プロトタイプの開発で結構うまくできたのが自信に繋がりました。自分でメンバーを採用して、新しく入ったメンバーがすぐに理解できるような設計にできたことが自信に繋がりました。

また、チームメンバーにも恵まれて、あらゆる場面で助けてもらいました。チームメンバーに感謝です。

マネージャーになった

この7月から新規プロダクトを開発する部署のマネージャーになりました。役職も副部長を経験した後に部長になりました。様々な申請の承認や他部署からの窓口をやったり、メンバーからの相談を受けたり、ピープルマネジメント系タスクが無限にあってこれまで経験したことない忙しさを感じています。
マネージャー職はピープルマネジメントに責任があり、メンバーの育成にも取り組んでいます。
そのため、定期的に1on1をしたり、権限委譲や役割の付与などをしたりしてメンバーの成長機会を作るようにしています。

これから期末に向けて給与評価もしないといけないのですが、先に添付した登壇資料に記載のとおりグローバル人材は給与高めということもあり、適正な報酬を提示するの難しそうと感じています。サイボウズは従業員から給与交渉もできるので、それもびびっています。
ですが、びびっていても仕方ないので、なるべく双方がなっとくいく適正な給与評価ができるようにがんばりたいと思います。

あと、マネージャーとして権限があることでやりやすくなった部分もあります。
一つは人材配置です。メンバーに様々なチャレンジの機会を与えたいと思っていますし、これまでサイボウズではやってこなかったことにも挑戦したいと思っています。それをするには権限があるほうがやりやすいと感じることはあります。ただ、その分責任もあります。
大変やりがいのある仕事だと感じています。

マネージャーをやりたくない人も多いと思います。たしかにコード書く時間は減りますし開発以外のタスクも増えます。
しかし、メンバーの成長を見たり、モチベーションが上がったりしたときは嬉しいです。 また、自分が大きな方向性を自信を持って示すことができるようになったのは良いです。

あと、採用したい人材の見方も変わったように感じます。これまではReactとTypeScriptとNext.jsの経験があってOSSにもコミットしたりとにかくハードスキルが強い人と働きたいと思っていましたが、マネージャーになってからはマインドセットやソフトスキル面を重視するようになったようにも感じています。どちらも大切ですが、後者のほうが改善するのが難しいのでより慎重になったという感じでしょうか。

食わず嫌いでマネージャーを避けている人は一度やってみると良いと思います。色々見える世界が変わると思います。

社内でのOSS活動

入社して間もない頃からOSS推進チームにも所属して、OSSへの寄付や社内でのOSSコントリビューション支援などを行ってきました。寄付についてはブログにも書いていますので参考にしていただけると幸いです。OSSを支援する企業が増える一助になれば嬉しいです。

blog.cybozu.io

また、OSSポリシーや寄付先についても公開しているので、そちらもご覧いただけると幸いです。

tech.cybozu.io

OSSへの支援だけではなく、OSSへコントリビューションしたい社員の支援にも力を入れてきました。たとえば、社内勉強会で以下の発表をしてOSSコントリビューションへの敷居を下げようと考えました。

speakerdeck.com

また、社内でOSSコントリビューションハンズオンと題して、みんなで集まってOSSへコントリビューションしてみようという会を開きました。
ここでは、自分はMDNの翻訳をしてみようという人たちのサポートをしました。その他にもPrettierメンテナーのsosukesuzukiに協力していただき、Prettierへのコントリビューションに挑戦するといったこともしました。

また、サイボウズは毎年3日間社内ハッカソンをやっているのですが、そこでOSSコントリビューションハッカソンをやりました。私もこの時間を利用してFirefoxへ初めてコントリビューションしました。

shisama.hatenablog.com

人事としてエンジニア採用に取り組んだ

エンジニアとしてのキャリアとは別で人事としてエンジニア採用にも携わらせていただきました。
1年ほど開発本部と兼務して人事に所属しながら、エンジニア採用のための様々な施策に取り組みました。

なかなか結果にコミットすることはできなかったのですが、その後の新規プロダクト開発での採用やマネジメント業務において、この経験は非常に活きていると感じています。

人事とのパイプができたことでその後の英語話者の採用でも人事に相談しやすかったです。また、人事の観点というのが知れてよかったです。
人事の人たち大変なので感謝しましょう。

あと、社内で人脈作っておく大切さも知りました。人事のメンバーをはじめインターン運営のメンバーやバックオフィス系の部署の人たちなど、開発本部でエンジニアとして働いているだけでは関わることがなかったかもしれない人たちと接点を持つことができたのも大きかったです。

採用や人事についてプロフェッショナルでもなんでもないのに参加させていただきありがとうございました!

サイボウズは絶賛採用募集中です!ちょっとでも興味ある人はDMください!カジュアル面談しましょう!

cybozu.co.jp

まとめ

と、ここまで色々書いてきました。まだまだ書ききれていないことはたくさんありますが、疲れてきたのでここまでにします。
ここまで読んでいただいた人は気づいているかもしれませんが、私は多くの人に助けられてばかりです。

新規プロダクト開発という大切なプロジェクトを成功させて恩返しできるといいなぁなんて思っていますが、未来なんてわからないので今できることを精一杯やるだけです。

来年は「5年経ちました」でたくさんの成果を書けるようにがんばりたいと思います。

以上、私事で長文になってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。